NVDA / JAWS で Firefox を使用すると読み上げが遅延する問題、Firefoxがクラッシュする問題

Firefox バージョン 58からマルチプロセスをサポートするモードが搭載されましたが、スクリーンリーダーなど一部のアクセシビリティー製品では悪影響を及ぼしています。(詳細については mozillaによる説明を参照)

私どもNVDAヘルプデスクでは、上述のマルチプロセスサポートのモードが有効になっていると、NVDAやJAWSなどのスクリーンリーダーは、読み上げが遅延する問題やFirefoxがクラッシュする問題を確認しています。

そこで設定エディターで下記の設定値を変更もしくは新規作成し、マルチプロセスサポートのモードを無効にすることで、これらの問題を回避できます。なお、下記設定前の段階で JAWS を使用した場合、読み上げそのものができませんので、NVDAを用いて設定変更を実施してください。
なお、マルチプロセスサポートモードが無効になると、Firefoxの最新テクノロジーである高速ブラウジング技術の恩恵を受けられなくなります。

手順

1)Firefoxを起動します。
2) Ctrl + L で「アドレス検索バー」を選択します。
3)「about:config」と入力してエンターキーを押します。
4)「動作保証対象外となります…」画面が開きます。
5)タブキーで「危険性を承知の上で使用する」のボタンを選択してエンターキーを押します。
6)設定エディターの設定値を検索するテキストフィールドが最初に選択されます。
7)「browser.tabs.remote」と入力してエンターキーを押します。
8)タブキーを押して検索結果のリストビューを選択します。
9)下記3つの設定値をすべて false にします。設定を true から false に変更するには対象の設定値を選択してエンターキーを押します。
browser.tabs.remote.autostart を false
browser.tabs.remote.autostart.2 を fal se
browser.tabs.remote.force-enable を false
10)環境によっては、上記3つの設定値のいずれかが不足している場合があります。この場合は新規作成します。新規作成は以下の通りです。
11)手順6の検索結果リストビューでアプリケーションキーを押します。
12)上矢印キーを2回押します。
13)「新規作成」を選択してエンターキーを押します。
14)下矢印キーを2回押して「真偽値」を選択してエンターキーを押します。
15)不足している設定値、例えば、 browser.tabs.remote.force-enable を入力してエンターキーを押します。
16)上または下矢印キーで false を選択してエンターキーを押します。予め false が選択されています。
17) Alt + F4 で Firefox を終了します。
18) Firefox を再度開きます。
17)以上で設定完了です。

お手元のスクリーンリーダーで動作を確認してください。

なお、NVDAヘルプデスクでは本件に関するサポートは問い合わせのあった会員登録された方に行います。